【イラストでわかる管理栄養士国家試験対策】
今回は消化器系の疾患、「ダンピング症候群」について説明していきます!!症状が起こる原因を理解すると、スッと頭に入っていきます!
ダンピング症候群とは?
胃を切除した人に起こる、胃切除後遺症のようなものです。胃がないため、食べ物が一気に小腸へはいってしまします。ダンピングカーが一気に土を下ろすことをイメージすると分かりやすいと思います。
ダンピング症候群は、食べ物が急に小腸に入ることが原因でおこるため、食後に症状が現れます。食後20~30分後に現れる早期ダンピング症候群と、食後2~3時間後に現れる後期ダンピング症候群に分けられます。
早期ダンピング症候群
1. 早期ダンピング症候群の症状
①上部空腸が一気に拡張する
→消化管ホルモンがめっちゃでる
→腸管めっちゃ動く
■動悸、発汗、腹痛、下痢、嘔吐
びっくりして動悸、汗かく、おなか痛い、吐いちゃう!!
②食べ物が急に小腸へ流入
→食べ物(浸透圧が高い)が血管から水分を奪っちゃう
→循環血液量が減る
■低血圧、頭痛、めまい
循環血液量が減るってことは、「血が足りてないよ~~」状態です。血が足りていないと、頭痛くなるしなんだかふらふらしますよね。そんな状況になってしまいます。
循環血液量が減る理由はこちら↓
腸管に食べ物が急に入ると、腸管内の濃度が高まります。(浸透圧が高い状態)そうすると、体は「薄めなきゃ!!」となり、血管から水を奪い取ります。結果として血液中の水分が減るので、循環血液量が減少し、頭痛やめまいを引き起こします。
2. 早期ダンピング症候群の食事療法
では食事はどのようにしたらよいのでしょうか??
食事療法の考え方のコツは、「症状を緩和させるにはどうしたらよいか?」を考えること。症状が出てしまうことと反対のことをやればよいのです。
早期ダンピング症候群の場合、食べ物が一気に入るからいけない。そしたら、一気に入らないようにすればいい。
・流動食を避けて、固形食に
→ゆっくり消化できるようにする。
・食べたらすぐに横になる
→流れていかないようにする
・少量頻回食
→一回の量を減らす
後期ダンピング症候群
1. 後期ダンピング症候群の症状
①大量の糖が吸収される
→一時的に高血糖になる
→インスリンが過剰に分泌される
→分泌されすぎて、逆に低血糖になる
■めまい、冷や汗、動悸、空腹感
血糖値が下がりすぎてめまい、冷や汗…
2. 後期ダンピング症候群の食事療法
後期ダンピング症候群の場合、そもそも高血糖になるからいけない。そしたら、高血糖にならないようにすればいい。
・糖質を減らし、代わりに脂肪とたんぱく質を増やす
→急な血糖値の上昇を防ぐ
以上、ダンピング症候群の症状と食事療法でした!